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東京をアジアの金融ハブへ 提言(4)

金融都市東京
日本版一国二制度

 

こんにちは。香港在住弁護士のマイクです。

マイクさん、ブログの書き方進歩したね。

日々、学んでます。

さて、沖縄の話をしたので、次は「東京に香港を作ろう」の話。

言うのは簡単だけど、実際考えるとハードルは果てしなく高い。香港と伍して金融人材つまり投資運用業者を呼び込む環境を整えるには、所得税優遇や金商法上の規制緩和だけではなく、行政手続きの英語対応、ヘルパーやインターナショナルスクール等々、業務だけでなく生活一般に至るまでの環境整備が必要です。一方で、投資運用業者を呼び込むためだけに日本中でこんな大掛かりな改正を行うことは到底世間の賛同は得られない。

だったら東京に出島を作っちゃえ。

東京近郊のある一区画を金融特別行政区にし、そこで投資運用業を行う限り法制度も生活環境も香港と同じとする、いわば日本版一国二制度を作ってしまう。特区などという時限性のものではなく、半永久的な行政区として。

そこで何をするの?

まずは法規制の緩和。

この東京出島に適用される特別法を作りましょう。最初に手をつけるのは金商法、その中でも特に投資運用業の届出の手続き簡略化です。将来、適用範囲を広げるとして最初は小さく比較的容易なところから認めていくのも手ですね。出島内に本店住所を有してそこで実際に業務を行う会社であることを条件とします。それから、徐々に取り扱う商品に対する規制も緩和しましょう。グローバルに取り扱っている商品をそのまま日本でも取り扱えるように。

次は税金。

税法も改正し、出島で登録された会社が出島内で投資運用業を行う場合、ファンドに課税はないことを明記します。これでないと海外の投資家は安心して投資ができません。前回書いた沖縄で組成されるファンドを運用する場合とすればファンド自体の構造も管理できてなおいいですね。また、出島内の投資運用会社の法人税とそこから投資運用業者が得る報酬に対する所得税をそれぞれ16%程度に軽減します。これらの恩恵は出島内に居住することを条件とします。

その他に家族の生活環境も整えないとね。

入管法を改正して、出島内限定でヘルパー用の労働ビザが出せるようにします。インターナショナルスクールもつくりましょう。出島内の子供優先ですが、定員の余裕があればどこからでも入れます。出島内の道路標識などのインフラは英語表記を標準として日本語は併記し、英語だけでも生活できる環境にします。

英語で対応できる専用の行政機関も必要だ。

出島内の行政を管轄するために金融庁支局や税務署機能も含む特別行政区総合役所を作ります。対応する言語は日本語、英語どちらかで完結します。もちろん対応する職員も全て日本語でも英語でも対応します。出島を作る最大の理由はここにあるかも。僕が香港で英語だけでストレスなく暮らせるように、海外の金融人材とその家族が英語だけでストレスなく暮らせる環境は必須だと思ってます。

出島に住んでる人だけ税金優遇されて不公平ね。

出島内のオフィスや住居の賃料の50%を特別税として徴収しちゃいましょう。賃料はそのほかの地区の賃料相場より実質50%高くなるけど香港の家賃もそのくらい高いですからね。また、恩恵を受ける投資運用業者が個人として日本の株式や不動産を取得する場合も30%くらい特別取得税をかけちゃいましょう。これで少しは不平等感が癒されるかな。

そんなこと本当にできるの?

こうやって書いてると異質な感じがありますが、香港だって実際は中国の一部。その成立経緯は全く異なるけど、一つの国の中に特別行政区のある一国二制度として機能してる。最近政治的には随分怪しくなって来たけど、経済的にはまだまだ健在。その東京版ができない理由は見当たらない。しかももっと緩やかな二制度でいいんだから。

どこに?

どこにつくりましょうか。だんだん楽しくなってきた。日本から海外出張も多くなるから成田や羽田に近い方がいいな。金融特別行政区として成功したらその景色はあちこちで紹介されるから街並みも大事だ。香港やニューヨークのマンハッタンのイメージだとやっぱり海辺に立つ高層ビル群が綺麗。そうなると東京の東側、幕張とか舞浜のあたりか?出島のイメージだとお台場、晴海、有明?しかし、日本は地震と津波に備えなければいけないから海辺は危険か?思い切って高輪ゲートウェイ駅あたりに作っちゃおうか。どうせ駅名英語だし、今周辺開発中だし。

今回、話が暴走気味、妄想気味だったけど、いかがでしょう。これ、どうやったら東京に人材が来てくれるかという観点ではなく、東京がどうなったら自分は香港から東京に戻ってファンドビジネスをしたいか、という観点で書きました。ちょっとぶっ飛んでるかもしれないけど、このくらいのことやってようやく東京の国際金融都市化も現実味が出てくると思ってます。

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ではまた次回。