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コモンの継承 (1)

コモンの継承

理想の生活は漁師?

こんにちは。香港在住弁護士のマイクです。

新しいテーマです。コロナで家に篭りがちになった去年の春頃からいろんな人の講演をZoomで聞いたりそこから関連する本を読み漁ったりしてずっと考えてきたことがあります。

本当に豊かで理想的な生活って何だろう?

最近その考えがだんだんまとまってきて、実現したい構想になってきました。このタイトルではそれについて書きます。途中で読んで大いに影響を受けた本も紹介します。自分でもまだ考えを整理しきれてないので、このブログを書き進めながら頭を整理し考えを展開していくつもりです。資本主義とか環境破壊とかの話も出てきます。なぜこのタイトルにしたかも追々説明します。なので、時々訂正したり、軌道修正することがあるかもしれませんが、そこは目を瞑ってお付き合い下さい。

さて、いきなりですが漁師とコンサルタントの話というのを聞いたことありますか?有名なのでご存知の方も多いと思いますが、ざっくりこんな話です

メキシコの海岸沿いの小さな村を、アメリカ人エリートコンサルタントが散歩してました。港には小さな船が泊まっていて漁師が活きのいい魚を数匹とってきたところでした。

アメリカ人コンサルタントが尋ねます。

「いい魚だね。それを釣るのにどのくらい時間がかかったの?」

メキシコ人漁師は答えます。

「ほんの1、2時間かな。」

「惜しいね。もっと長く漁をすれもっと獲れるのに。」

「家族にはこれで十分さ。」

「じゃあ、残りの時間は何をしてるの?」

「朝ゆっくり起きてから漁に出て、少し魚が獲れたら戻って子どもと遊び、午後は妻と一緒にゆっくりシエスタをする。夜になったら友達と酒を飲みながらギターを弾いて楽しんでるよ。」

それを聞いて、コンサルタントは笑いながら言いました。

「ハーバードMBAのコンサルタントとして君にアドバイスするよ。まず、君はもっと早起きして長い時間漁をすべきだ。魚が今よりたくさん獲れるから、余った魚を売って大きな漁船を買う。するとさらに魚を取ることが出来るからさらに船を買い足して最後には大きな漁船団を作る。次は仲買人に魚を売るのをやめて自分の加工工場を作り直接魚を加工する。そうしたら、こんな小さな漁村を離れてメキシコ・シティに移り、その後ロサンゼルス、最後はニューヨークへ進出して君は大会社の経営者だ。」

それを聞いた漁師は、コンサルタントに聞きます。

「で、そうなるまでにはどれくらいかかるんだい?」

「15~20年くらいかな。もし君が必死でやればもっと短くて済むよ。」

「で、その後は?」

「君は自分の会社の株を売って億万長者さ!」

「それで?」

「そしたら、引退して海岸近くの小さな村に住むんだ。朝はゆっくり寝て、昼は釣りをしたり子供と遊んだり、奥さんとシエスタしたりして過ごして、夜になったら友達とギターを弾いて歌を歌いながら一杯やって楽しく過ごすんだ。素晴らしいだろ!」(作者不詳)

いつかはもう忘れましたが、この話を最初に読んだ時は、ビジネスエリートを揶揄してるよくあるアメリカンジョークくらいの感想でした。確かに面白いけど、嵐が来たり漁師が怪我をしたりして漁ができなくなったらすぐに食べるのに困るんだから呑気なことは言ってられなくなる。その点、コンサルタントの方は有り余る富を持っているから仮に嵐が来ても怪我をしても何も困ることはなく、優雅に別荘にこもってワインでも飲んでれば良い。結局コンサルタントのいう生活の方が同じ村で釣りをしていても数段優れていると考えていました。しかも世の中に上場会社という実体まで作って経済をまわし、成功体験という貴重な財産まで持っているんだから比べるまでもないとも思ってました。一個人が資本主義の枠組みに乗って成功し、資本家の仲間入りをする、これはまさに資本主義を体現している話です。

しかし、今もう一度これを読むと全く別の話に見えてきてます。この漁師の方が実は豊かで贅沢な暮らしをしているのではないか。この漁師の生活基盤、ここでは語られてないけど実は確固たるもので生活環境は知性と教養に溢れているのではないか。コンサルタントの生活が優れていたと考えるのは一昔前までではないか。

今、資本主義をテーゼとしましょう。すると、アンチテーゼは漁師?いや、資本主義に対するアンチテーゼは社会主義です。では漁師は?

漁師はジンテーゼです。

ではまた次回。