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東京をアジアの金融ハブへ(5)

金融都市東京

法規制 フレンドリーな香港

こんにちは。香港在住弁護士のマイクです。

さて、香港。私は日本でPEファンドのジェネラルカウンセル(法務担当役員といったところかな?)をしていた2010年代前半、社内を説得してそのファンドの本社機能を香港に移転させました。それに伴って私も香港に移転したのですが、そもそもなぜ日本から香港に移ったのか?それは、それまで日本で行っていたファンドビジネスが法規制や税制のために非常に窮屈なっていて、いくつも意味のない行動規範のようなものを作らないとならない状態だったのでした。一方、香港の法制度を調べるとその辺りがとてもやりやすい形に見えたのでした。

通常、ファンドビジネスを行うには投資家から資金を集める箱(前回お話した通り、合同会社がこの役割を果たして欲しかったのですがそれが出来なくなったので、日本の組合や海外のリミテッド・パートナーシップが主にその役目を果たしています)と、その運用会社が必要となります。単純に日本でその運用会社を作るといわゆる投資顧問会社となりますから金融庁の監督下に入ります。これは事務コストが格段に増えます(ここは語り出すと一晩でも話せます)。片岡愛之助演じる黒崎検査官に対する半沢直樹をリアルに行わうことになるわけです。さらに悪いことに、投資顧問会社を通じて日本でファンド運営すれば、その会社がPE(プライベート・エクイティのPEではなく、恒久的施設の意味のパーマネント・エスタブリッシュメントのPEの略です。)認定されて、ファンドの収益全体に日本で課税されるという恐ろしい事態になります。そのようにならないために窮屈な投資ストラクチャーと行動規範が出てきているわけです(具体的にどんなものかというところは有料ですので、個別にお問い合わせくださいね)。

ところが2010年代前半から半ばにかけて、香港の税制改正が行われるという情報が入りました。曰く、ファンドマネージャーが香港で業務を行う際には税制の例外規定でファンドに課税はなされないが、それはヘッジファンド等に限られていてPEファンドのように未上場株式に投資するファンドについては原則通り香港で課税がなされていた、しかしファンドマネージャーをより一層香港に呼び込んで同じアジアでの覇権を争っているシンガポールに対抗するため(東京の名前は出てませんでした)未上場株式投資を主目的とするPEファンドについても新たに例外規定に加える、というものでした。これに乗らない手はないということで、さっさと香港に移転したのでした。丁度次のファンドの立ち上げのタイミングだったことも幸いしました。

香港に移転して、早速日本では取得しなかった投資顧問業のライセンスを取得し、ファンドの仕組みもよりシンプルにしました。そんなこんなで香港でのビジネスを立ち上げていると、いやでも日本との違いが見えてきました。それは予想していたレベルを遥かに超えていました。日々、いい意味で驚きの連続でした。

その辺りは次回に詳しく書きますね。ではまた次回。