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東京をアジアの金融ハブへ(9)

金融都市東京

広東語、いまだに話せません。

こんにちは。香港在住弁護士のマイクです。

香港生活もはや6年目に入っているのですが、いまだに広東語話せません。読むのは広告程度のものをギリギリ漢字から想像している程度です。香港に来た時は広東語の本を何冊も持ってきて独学でマスターしようと思っていたのですが、あまりの複雑さに三日で断念しました。今なんとか話せるのは「おはよう」、「ありがとう」、「すみません。」、「会計お願いします」、「次のバス停でおります」くらいです。情けない。

でも言い訳をさせてもらうと、ここでは広東語が全く話せなくても英語で生活ができてしまうんです。移民局や銀行、ブランドショップやデパートに行ったときにはむしろ英語が標準語で広東語は第二外国語か、と思うくらい。通じないのはローカルのレストラン(というか食堂)とタクシーくらいかな。なので広東語をマスターするインセンティブが働きません。

日本に外国人人材を呼ぶことの大きな障害の一つに英語があります。今回ももちろんその議論はされていて、金融庁に英語で手続きができる窓口を作ったようですが、、、いやいやいや、そういうレベルの話じゃないんです。日本に来るなら日本語をマスターしなさい?もっともな話です。否定しません。でも、それと英語の問題は別なんです。これは単に英語が通じるかどうかの話ではないんです。情報量が圧倒的に違うんです。

世界は英語で回っています。世界中のジャーナリストや学者、知識人から発信される情報は英語です。日本語にはほんのその一部、しかも日本に都合のいい、もっといえば日本人が興味を惹くであろう情報だけが翻訳されて日本に届いています。なので、日本語で世界のニュースに触れているなどと言うのは幻想です。一方香港では当然英語のままあらゆる情報に接することができます(幸いなことにいまだに)。例えば香港のテレビには英語のニュースチャンネルが溢れています。CNNだのBBCだの欧米のチャンネルはもちろん、驚いたのは中東のアルジャジーラまでありました。当然、西寄りの事象の捉え方とはちょっと違う観点のニュースです。中国のニュースももちろん入ってきます。こちらも西側とは違います。香港って、こんなふうに世界の出来事の情報をいろいろな立場の発信源から直接得ることができるんです。

ちょっと前の話になりますが、トランプさんが大統領になった時、その就任式で何を言うか、そしてそれに対して世界の反応はどうかとても興味がありました。香港から見られる世界中のニュースをチャンネル回して(昭和の感覚が抜けない)見ましたが、どのチャンネルも演説を生中継し、その後一日中その録画とその熱い議論をしてました。CNNもブルーンバーグもBBCもアルジャジーラも。世界中で大議論になっているんだなと感じました。で、日本ではどんな議論がされているんだろうと日本のチャンネルを見てみたら、、、どのチャンネルもお笑い芸人を集めたバラエティ番組ばかり。トランプの演説に関する議論をしているものはもちろん、演説の映像でさえ流れていませんでした。。。

日本の英語教育は香港と比べても決して遜色はないと思います。でも、決定的に違うのは、英語環境なんです。香港は役所でも買い物でもどこでも英語で最初から最後まで完結できる。一方英語は勉強としてしか使わないのが日本。どこにも英語は使われていない。なので、英語は受験の道具で受験が終わった時点でその存在価値がガクッと下がる。中学から高校まで大方の日本人は最低6年は英語の勉強しているのに、英語は通じない。なので世界中に溢れる重要な情報は日本を飛び越してNY、ロンドン、香港にいる人たちに降り注いでいる。その間日本にいる人たちはお笑い芸人見て笑って芸能人の不倫騒動に一喜一憂してる。日本は情報鎖国別世界、ガラパゴス。

香港のどこが魅力なのといろんな友人に聞かれたとき、決まって「だって香港は世界中から人と情報とお金が集まっているんだよ。」と、答えてます。これは香港に来て真っ先に実感したものです。まさに世界中の情報が英語のまま生で集まってくるんです。その情報のシャワーの中で自分に必要な情報を探し出し、アクセスし、自分の知識としていく、これが普通にできるところがすごいんです。日本に入ってしまうと情報は来ないので苦労して取りに行かないといけない、日本語に訳されたものはすでにフィルターのかかったごく一部の情報なので、これだけを頼っていたら全く話にならないんです。

長々書きましたが、日本で英語が通じないと言う問題の本質は、役所が英語に対応していないと言うような枝葉末節のことではなくて、英語が通じないがために世界の情報から疎外されていると言うことなんです。これを解決するのはかなりハードル高いです。日本語のほかに英語も通常の生活に普通に使われるくらいにならないと。まずはTVが民法のバラエティ番組垂れ流しをやめて代わりに海外放送を直接流すくらいの変革が欲しいですね。

今回はこの辺りで。ではまた次回。